2018/11/06

通話アプリ音質比較

通話アプリの音質を比較してみました。音声通話占いの通話手段を選択する際の参考にしてください。


比較対象としたのは以下の7種。
  • IP電話
  • LINE
  • Skype
  • Viber
  • Second Life
  • SkyPhone
  • マイクから直接録音

IP電話は固定電話(ひかり電話)から発信して Skype 番号で受信した場合の通話音声です。発信する側は特別なアプリは不要で、電話番号で掛けられる普通の電話です。周波数解析したグラフは以下のようになります。
通常のひかり電話の音声周波数帯域は 300 Hz ~ 3.4 kHz と決まっているので、グラフでもそれ以上の周波数は出ていません。
ただ、音質は周波数帯域だけで決まるわけではありません。本来であればもう少し良い音で聞こえるはずですが、IP電話の場合は音声データが圧縮されて伝送されていたりするので音質はかなり悪くなっています。
音質が変化しているので場合によっては相手が誰だか判別ができないこともありますが、話している内容はどうにか聞き取れます。3G以前の携帯電話での通話もほぼ同等の音質でした。

LINE は Wi-Fi 環境で LINE 同士での通話です。 本来なら私の環境はパソコンの LINE を使いたいのですが、現在はなぜかパソコンで音声通話ができないのでガラホの LINE(バージョン 8.14.1)を使用しています。マイクはパソコンで使用しているヘッドセットと同じものを接続して通話しています。受信側は Android スマホの LINE(バージョン 8.16.2)です。
周波数のグラフは 7 kHz 以上が完全にカットされています。携帯電話の VoLTE と同等の周波数帯域です。IP電話のほぼ倍の周波数帯域となっており、当然音質も良くなっていますが、他の通話アプリと比べると微妙に劣化して聞こえると思います。おそらく音声データの圧縮率が高いせいで音質が劣化しているのだと思います。その分、通信量は少なめになっているはずです。
音質ではなく通話の安定性などの品質は時間帯によって悪くなる時もあります。音質よりも通話品質の悪さがストレスになることが多いかもしれません。

Skype は Wi-Fi 環境で Skype 同士での通話です。パソコンのデスクトップ版 バージョン 8.33.0.50 からの通話になります。
周波数のグラフは LINE 同様に 7 kHz 以上がカットされていてほぼ同等の周波数帯域となっています。しかし、LINE と比較するとはっきりとわかるくらい音質が良くなっているように聞こえると思います。おそらく圧縮率が低めなのだと思います。その分、通信量が増えているはずです。
通話の安定性はまずまず。たまに途切れることもありますが LINE ほどひどくはありません。実用性はまずまずで悪くありません。

Viber は Wi-Fi 環境で Viber 同士での通話です。パソコン版バージョン 9.7.5 からの通話です。
周波数のグラフは LINE や Skype と同様に 7 kHz 以上がカットされています。音質は Skype とほぼ同等で優劣はつかないと思います。
Viber は使用経験がまだ少ないので何とも言えないのですが、実際に使ってみた印象としては音質も安定性も Skype 以上だったと思います。

Second Life は公式ビューア(バージョン 5.1.9)から Firestorm ビューア(バージョン 5.1.7)へのボイスコールです。
周波数のグラフは 14 kHz 以上がカットされています。VoLTE(HD+)と同等の周波数帯域です。他の通話アプリの2倍の周波数帯域を確保していることになります。音質もより明瞭になったように聞こえます。リップノイズのような雑音が入ってしまっていますが、 入力環境の調整がうまくいっていなかったのかもしれません。
Second Life のボイスチャットはうまく調整すれば空気感が伝わるほどの高音質ですが、安定性にやや難ありかもしれません。

SkyPhone は Wi-Fi環境での通話です。原則としてアプリはスマートフォンでしか利用できませんが、私がスマホを1台しか所有していないのでパソコンに Android エミュレーターの BlueStacks をインストールして、そこに SkyPhone をインストールして受信側の端末としました。発信は Android スマホ版のアプリ(バージョン 1.6.9)からです。通話音質の設定を「高音質」にして通話しました。
周波数のグラフは 20 kHz 以上がカットされています。ほぼ CD と同等の周波数帯域ということになります。確かに音質は悪くはありませんが、なぜか Skype などよりもぼんやりした感じに聞こえます。角が取れて丸くなったような感じですが、劣化しているようにも思えます。
おそらく、高い周波数まで確保するために圧縮率も非常に高くなっているためではないでしょうか。本来通話で必要とされる人間の声の周波数は 8 kHz くらいまでで十分なので 20 kHz というのは無駄にオーバースペックで、それを確保するために音質が劣化してしまうというのは本末転倒です。
音楽の演奏などを聞かせたいといった場合には使えるかもしれませんが、ほとんど無意味ですね。
圧縮に負荷がかかっているせいか安定性もいまいちで、遅延も最も顕著に発生しているように思われました。
高音質がウリの通話アプリなので設定も「高音質」にしましたが、標準音質や低音質に変えれば通話品質も安定するかもしれません。そうなると他のアプリに対するアドバンテージを失うことになってしまうかもしれませんが。
アプリ自体は非常にシンプルで、インストールすればすぐに使えるという手軽さがあります。その点では他のアプリに比べて優れていると言えます。

マイクから直接録音はヘッドセットのマイクを使用しています。エレコムの HS-HP22SV です。他の通話アプリでも全て同じマイクで録音しています。ただし、サウンドデバイスに Sound Blaster Omni Surround 5.1 を使用してノイズリダクションも使用しているので、本来の入力音声とは異なります。
そもそもマイクのスペック的には 100 Hz ~ 10 kHz の周波数帯域しかありません。それ以上の周波数はノイズが混じっているだけだと思います。
実はこのヘッドセットは電気屋さんで売っていた中では一番安かったもので、720円(税別)で買いました。製品の品質には全然期待していなかったのですが、意外とマイクの性能は悪くなくて綺麗な音質で入力できていると思います。
ヘッドセットのマイクは当たり外れが多くて 2000 円くらいの物でもマイクは全然ダメというものもあるのですが、これは当たりだと思います。

今回の比較では対象としませんでしたが(できなかった)携帯電話の VoLTE での高音質通話も利用できます。この場合の音質は Skype 等とほぼ同等で安定性は高く遅延も少ないと思われます。カケホ等の通話プランで時間を気にせず通話できる場合にはできるだけ VoLTE の通話を利用した方が良いかもしれません。

通話の音質は高音質になるほど気持ち(こころ)が伝わりやすくなります。恋人同士が電話で喧嘩することが多いというような場合には高音質な通話アプリに変えてみると改善するかもしれません。

特に占いは単なる情報伝達が目的ではなく、それ以上の物を伝える必要があるので、今回の比較を参考にして、できるだけ高音質の手段を使用していただければと思います。

通話アプリ音質比較

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