2015/05/27

通話手段による音声品質の比較

私のサイトの電話占い(→ボイスチャットで占う)ではいくつかの通話手段に対応しているのですが、通話手段によって音質がかなり違います。音質が違うと占いの印象も変わると思います。

そこで、それぞれの通話手段の音声を録音して比較してみました。


対象の通話手段は以下の通りです。
  • 固定電話(ひかり電話)
  • 携帯電話(au F001)
  • Skype(スマホのアプリ)
  • LINE(スマホのアプリ)

また、比較の参考としてパソコンに接続したマイクで直接録音した音声も 2 種類録音しました。(過去記事「ヘッドセットのマイクの音質を比較してみました」でも使っています。)
  • スタンドマイク(MS-STM88SV)
  • ヘッドセット(HS-HP08BK)
では、固定電話から順番に説明します。

録音した音声は NTT 東日本のひかり電話からパソコンの Skype(バージョン 7.4.0)へ通話した時のものです。一般的な固定電話機の通話品質と考えていいと思います。Audacity を使って表示したスペクトラムは以下のようになりました。

スペクトラム1

通常のひかり電話の音声周波数帯域は 300 Hz ~ 3.4 kHz と決まっているので、グラフでもその部分が大きくなっているのが分かります。

普通に電話と言えばこのくらいの音質のイメージになるかと思います。多少こもった感じはしますが、一応何を言っているかは聞き取れるし、特に問題はないように思うかもしれません。

とりあえず、これが基準になりますね。

続いて携帯電話の音声。使用した携帯は au の F001 という機種です。同じくパソコンの Skype への通話です。3G ケータイなので音質は固定電話と同程度になるはずです。スペクトラムは以下の通り。

スペクトラム2

グラフはひかり電話とほぼ同じ(300 Hz ~ 3.4 kHz)ですね。音質はなんとなく歪んだようにも聞こえます。お椀か何かをかぶせたような感じかな。固定電話と比べるとわずかに悪化したかもしれません。

会話には支障はありませんが、ちょっと聞き取りづらいかもしれません。用件のみを伝えるには十分ですが、占いのように長時間話し込んだりするのには向いてないような気もします。

携帯電話の音声」という記事もお読みください。

次の Skype はスマホのアプリからの通話です。スマホは MIRACH IS11PT という機種(Android)です。Skype のバージョンは 4.9.0 です。Wi-Fi 接続になります。通話先はパソコン版の Skype。スペクトラムは以下の通り。

スペクトラム3

音質が格段に良くなっています。一気に周波数帯域が広がっています。下限はよくわかりませんが、上限は 9 kHz 近くまで出ているように見えます。

ひかり電話や携帯と比べるとまるで別人の声のように聞こえるほどの違いがあります。まるで目の前にいるかのようにはっきりと聞こえますね。

携帯などの通話に慣れ過ぎて「電話の声なんてあんなもん」なんて思って油断をしていると、Skype の音声を聞いてびっくりしてしまうでしょう。

LINE もスマホのアプリからの通話です。アプリのバージョンは 5.1.3 です。通話先もパソコン版の LINE(バージョン 4.0.2)になります。接続は Wi-Fi です。スペクトラムは以下の通り。

スペクトラム4

周波数帯域は 8 kHz でバッサリと切られていますね。Skype とほぼ同等といってもよいでしょう。Skype と聞き比べても違いはほとんど感じられませんが、よく聞くと LINE の方がやや雑な感じもします。あえて優劣をつけるなら Skype の方がやや高品質かな?

ちなみに、今話題の VoLTE(ボルテ)は音質が良いと言われていますが、周波数帯域は 50 Hz ~ 7 kHz となっているそうで、Skype や LINE とほぼ同等の音質と思えばよさそうです。厳密に見れば LINE よりわずかに劣る程度になるのでしょうか。

ひかり電話の場合も通話相手が同じひかり電話であれば高音質通話が可能になるようです。この場合の周波数帯域は 100 Hz ~ 7 kHz となるようなので、VoLTE とほぼ同じです。

VoLTE の音質が良いというのも実はその程度のことであって、既にひかり電話や Skype などで同程度の高音質通話は実現されているので、特に目新しいものでもないんですよね。

私たちがヘッドホンやスピーカーなどを通して聴く音は、音源が CD なら 20 kHz が上限になるので、いくら音質がいいと言っても 7 kHz 程度では大したことはないのです。音源が MP3 や AAC 等になるとビットレートが低い場合には周波数帯域も大幅にカットされますが、それでも上限は 15 kHz くらいあったりするので VoLTE などの音声通話の倍以上の品質になります。

ましてや現在普及しつつあるハイレゾ音源なんかはもっと高音質です。これを引き合いに出してしまうと音声通話の貧弱さを思い知らされますね。

それでも固定電話や旧式の携帯電話に比べれば Skype や LINE、VoLTE などの音質は十分に高品質ですよね。

これくらいの音質ならば、単に用件を伝えるためだけでなく、気持ちまでしっかり伝わる会話ができるようになるかもしれません。

占いの場合も単なる情報のやり取りではないので、占いに使うなら少しでも高音質の方が良いと思います。

音質が良くなることで気持ちが伝わりやすくなるとしたら、電話だとどうしても喧嘩ばかりしてしまう男女のカップルなんかにもお勧めかもしれませんね。

ケンカの原因は相手のことが理解できなくて不安になるからということが大きかったりします。固定電話や携帯電話では言葉の意味は理解できても、気持ちが全然伝わっていなかったのかもしれません。

高音質の通話でほんのちょっと言葉を交わせば、それだけで気持ちが伝わって安心できるようになるかもしれません。それで喧嘩が少しでも減らせればよいですね。

ぜひとも、高音質の通話にチャレンジしてみてください。

(追記: 2015/06/01)
Second Life のボイスチャットの音声品質についてもテストしてみました。


スペクトラム5

スペクトラムを見る限り 14 kHz まで音が出ているようです。Skype や LINE、VoLTE 等の高音質通話でも 7 kHz までしか出ていないので、Second Life の方がさらに音質が良いと言えそうです。

Second Life のボイスチャットなら音楽配信にも対応できるレベルの音質といってもいいと思います。

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